携帯電話各社がこれからサービスの中心にしようとしている、
LTE(ロング・ターム・エボリューション 長期間に渡る進化)サービスが提供時期やサービス地域によって、
実現出来るサービス速度が異なっているのを不思議に思われる方が多いと思うので、
以下に解説させていただく。
携帯電話のサービスは使える無線電波の幅(周波数帯域という)が広いほど通信速度が早くなる特性がある。
LTEも同様で、NTTドコモが2010年12月にLTEサービスを始めた時は、5メガヘルツの帯域を使い、
最高で毎秒37.5メガビットのデーター速度を実現出来るとして売りだした。
この速度を、NTTドコモの場合2014年までに2~3倍の速度にすると発表した。
何故地域によってサービス速度が異なるかだが、これは事業者や地域によってLTEに使える電波が違っているためだ。
どの携帯電話事業者もLTEサービスを提供する電波帯域には、すでに3G(第3世代)と呼ばれる、
現在音声やデーターサービスもユーザーを収容しているため、
一挙にLTEに変えることが出来ず、徐々に3GからLTEに変える必要が有る。
この3GからLTEへの変更には、ユーザーが持っている端末をLTE対応にする必要がある。
2年前にLTEサービスを始めたNTTドコモも、これまでLTE対応の端末はそれほど多く普及していないので、
今後LTE対応の端末を本格的に提供することになる。
LTE端末の普及に応じで、3Gの電波を徐々にLTE対応に置き換えることになる。
この置き換えは、比較的ユーザーが少ない地方では早めにできるが、
3Gユーザーが多く存在する都心部では、入れ替えが遅くなってしまう。
これが地域でLTEサービスの速度に違いが出る要因である。
9月21日のiPhone5の投入と同時に、KDDI及びソフトバンクがLTEサービスを開始し、
今後の流れはLTEが主流になる。
LTEの展開は事業者各社の端末提供を含めた販売戦略が影響する。
これは当然競争相手の、料金政策等の出方をみながら流動的になると思われる。
これはユーザーにとてはありがたい事には間違いない。
なお、進化し続けるLTEは2015年頃には、LTE-A(LTEアドバンス LTEの発展型)と呼ばれる、
改良型が実用化される予定。
この技術を使えば、毎秒1ギガビットという現在光回線のサービスでも、
一部の事業者が実現しているデーター速度を目指している。
これが実現すれば、真のワイアレス(無線の)超高速データー通信時代が到来する。