どこもNTTドコモが、2012年11月の携帯端末の契約数の統計で、

4万の大幅な純減(その月に獲得したユーザー数を解約数が上回る)になった。

これは2007年8月以来5年3か月ぶり。

 

NTTドコモの場合、これまでKDDIやソフトバンクにMNP(同じ番号で移行する)が他社への流出が続いていたが、毎月の契約数は純増(新規の契約数が解約を上まわる)を保っていたが、11月はついに純減になってしまった。

 

この原因として良く言われているのが、NTTドコモのみがiPhoneを販売したいないため、営業上不利であるということ。

今回の大幅な純減の結果NTT内部でもiPhoneの導入すべきとの議論があるという。

 

しかし単純にiPhoneを持たないことがドコモの不振を待ていているとは思えない。

基本的な戦略のまずさがあるのではないか。

NTTドコモは、200年11月にFOMAと呼ぶ第三世代の通信サービスを他社に先駆けて始めた。

FOMAのサービス開始時には、サービスエリアが限られ、使える移動機も少なかったのだ、

単にFOMAという新しい通信方式がユーザーに与えるインパクトは少なかった。

特にFOMAの問題は、第三世代のCDMAといっても、導入を急いだため、

NTTドコモ独自の方式で、後に世界標準になる第三世代方式とは互換性のないものだった。

更には、FOMAならではの特徴があるサービスが提供できなかったことも、

FOMAの初期の展開に失敗した理由になっている。

 

NTTドコモは2010年に、他社に先駆けて高速のデーターサービスLTEを導入した。

これはKDDI、ソフトバンクがiPhone5の導入に合わせて開始したLTEサービスに2年先行している。

NTTドコモは、FOMAの失敗に懲りて、導入には他国の動向を見ながら慎重にしたが、

サービスの開始当初は、FOMAと同じようにサービスエリアが限られ端末もデーターカードが主体で、

LTEとしてのサービスの訴求ができなかった。

 

2012年9月に、KDDIとソフトバンクがLTEサービスを始めて、

本格的なLTE時代が到来し、NTTドコモはLTEでは2年も先行しているのに、

なぜかLTEサービスを訴求していない。

かえって後発のソフトバンクがLTEサービスをCMで訴えている状況である。

 

折角強力な武器のLTEを他社に先駆けて実現しているにもかかわらず、

これを訴求しないのは明らかな戦略の失敗だろう。

NTTドコモはが提供しているアンドロイド端末は、機能面ではiPhoneに互角に戦えるものと思う。

逆に日本独人機能を織り込んでいる分iPhoneより有利だと思うのだが、

この強みをなぜかユーザーに訴えきれていない。

これがNTTドコモの大幅な純減の原因と考えている。

 

他派より2年先行したLTEでは、NTTドコモは十分な運用経験を持っているので、

いまこそその強みをユーザーに訴える作戦をとるべきと考える。