2年前に、2兆円以上の負債を抱えて会社更生法を申請したJALが今日東京証券取引所に再上場しました。
上場時の時価総額では、ライバルのANAを抑え6000億円以上になりました。
JALの再生にあたって、3000億円の出資をした企業再生支援機構は、
出資金を取り戻して上に3000億円の利益を得たことになります。
この劇的な企業再生は、7000億円の負債を棒引きにした銀行団、
所有株が無価値になってしまった旧株主、
10000人以上のリストアにあった従業員など、
多くの人の犠牲によるところは大きいのは確かです。
しかし、この再生を実現したのは、稲盛名誉会長の指導を前向き聞き、
それまでのぬるま湯的な会社を立て直した従業員一人ひとりの努力が大きいと思います。
この努力は闇雲に勧められたものではなく、アメーバー経営の基本になる、
数字で管理することが徹底されてことが大きいでしょう。
それまで路線ごとの収支が2ヶ月後でなければわからなかったのが、
便毎の収支が翌日分かるように出来たのは、
京セラで培ったアメーバー経営、特に数字で管理する経営手法が生きたと思います。
JAL自身のフィロソフィーも作り社員の心の拠り所にしたのは良いことです。
しかし、このV字回復が従業員に安心感や慢心を与えないかが心配です。
以前のJALの経営者は名ばかりのものであったのは、
リーダーがかわればこれだけ傾斜を変えられるということで証明されました。
しかし、従業員一人ひとりの心は簡単には変わりません。
せっかく作ったJALフィロソフィーが形ばかりのものにならないように、
潜在意識に到達するまで繰り返し学ばれることを期待しています。